ホームライナー静岡に乗車!
現在では運行名称として残っているものは少ない「ホームライナー」に乗車してみました。
今回、乗車したのは「ホームライナー静岡3号」になります。
この「ホームライナー静岡3号」は沼津駅(20:47発)ー富士駅(21:00着21:01発)ー清水駅(21:18着発)ー静岡駅(21:27着)の静岡駅以東のみの区間で運用されています。「ホームライナー静岡3号」は静岡駅19:00発の「ホームライナー沼津6号」の折り返し静岡駅までの回送を旅客扱いしている運用になります。そのため、静岡駅周辺の帰宅者を運び終えた後、静岡駅まで戻る運行も働いている形になります。乗車日も発車時刻も遅く、利用者が少ない方面に運行されていることもあり、車内は閑散していましたが、回送運転する代わりに運行されていることを思えば、ちょっとは増収になるのかもしれません。
ちなみに、「ホームライナー静岡1号」は沼津駅を6:55発として運行されています。こちらは静岡駅に向かう通勤客を運ぶための役目を果たしています。
この373系は中距離の特急用として開発された車両になります。特急「ふじかわ」として静岡駅ー甲府駅を結ぶ車両になります。特急車両にはなりますが、客室とデッキを仕切るドアがない車両になります。そのため、停車時にドアが開くと外気が座席に直接入ってくるため、普通車両と似た構造になります。特急車両としては物足りないと感じる車両になりますが、設計当初から中距離普通列車としても利用することを考えられていました。同様の設計コンセプトで開発されたのが185系になります。こちらも普通列車として運行されることもありましたが、客室とデッキを仕切るドアにより、昇降時間をようすることになり、運行の遅延を発生させる原因になっていました。その反省から373系は客室とデッキを仕切るドアが設置されていません。
「ホームライナー」とは?
「ホームライナー」のデビューはJR以前の国鉄時代の1984年に運行開始となった「ホームライナー大宮」までさかのぼります。当時の国鉄旅客局長だった須田寛氏(のちのJR東海初代代表取締役社長)の考案で、上野駅ー大宮駅間を回送する特急用電車を活用したものが起源と言われている。当時は東京駅、上野駅などのターミナル駅に夕方に到着する特急列車は空席のまま、郊外の車両基地まで回送する運用になっていました。この回送運転を旅客扱いとして扱い、増収することができないかという案から運行が開始されました。運転開始時は1編成のグリーン車のみで客扱いをしていました。しかし、運転開始当初から人気が高く、積み残し客もあり、運転開始数日でグリーン車の前後に連結している普通車も客扱いを開始することに変更した。それでもまだ積み残しが出る状況だったため、そのわずか数ヵ月後には1編成すべてを客扱いをするようになった。
当時の通勤客が有料でも着席して帰宅したいニーズがあることがわかり、「ホームライナー大宮」の登場後は国鉄は各大都市圏で「ホームライナー」を設定することになり、各私鉄でも同様のサービスを行うことになりました。運賃に関しては特急料金ではなく、「乗車整理券」として発売されることになりました。当時は現在のようなリアルタイムで座席管理を行うことができなかったため、当日の発車前に購入することや特急としてのサービスは省略され、座席のみのサービスということもあったため当時は300円で利用することができました。
特に、神奈川県西部から東京駅・新宿駅間を運行していた湘南ライナー・おはようライナーは最も有名なホームライナーかと思います。
2021年2月の湘南ライナー・おはようライナーの様子になります。
同年3月に湘南ライナー・おはようライナーが廃止(特急へ格上げ)になる1ヶ月前になりますが、ほぼ満席での運転が行われていました。
今では乗ることが難しい185系が運用されていました。
朝から満員電車に乗車することを考えると、リクライニングシートでのんびりすることができるだけでも十分な価値があるかと思います。
車内の様子
今回乗車した「ホームライナー静岡3号」の1号車は私含めても4.5名のみの乗車でした。
ホームライナーとしての役目を終えた後の回送のため、この乗車率は仕方がないのでしょう。
座席は自由席になります。
途中駅になる清水駅からの乗車もごく僅かなもので座席が埋まることはないため、隣に人が来ることはほとんどないでしょう。
ホームライナー沼津
以前(2021年)に乗車したホームライナーも合わせて載せておきます。この写真を見てわかりましたが、今回乗車した373系もF2編成でした。
紙のきっぷはいつまで発売されることになるのでしょうか。
おわり
今回は「ホームライナー静岡」に乗車しました。
最近では「ホームライナー」という名称を減らし、通勤客を輸送する列車は特急へと格上げされることになりました。そのため、「ホームライナー」の名称が残されている列車に乗ることができる機会が減ってきました。373系自体も製造から30年近くになってきましたこともあり、いつ置き換えが発表されるかもわかりません。乗れるとき、撮れるときに楽しみましょう!
ーおわりー
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